日本の天然記念物の鳥ルリカケス が、毎年5月ごろうちの屋根下で巣を作り巣立っていく、、5月23日の新月の大潮の夕方、3匹の小鳥がギャーギャー鳴きながらゾロゾロ巣から出てきた、そして今にも巣から飛び立つ、そんな勢いだった。。親鳥も心配そうに近くに飛んできて、私達家族みんなで子鳥達の巣立ちを見守った。1匹が巣から飛び立つと、バタバタ羽ばたきしながら地面に降り立った、まだ飛び方は上手くないので2~3日草むらに隠れて、親鳥に生きていく為の特訓を受けるらしい。心配そうに親鳥がそばに寄り添って草むらまで導いていく。けなげな親鳥の姿を愛おしく感じ、微笑ましかった。それに続けとばかりにまた2匹目、3匹目が飛び立った。うちの子供達は巣立った鳥達に感動と希望で、目がうるうるしていた。しかし、突然待ってましたとばかりに、私達の目の前に野良猫がいきなり現れ、親鳥の攻撃を受けながらも抵抗する小鳥を口にくわえて、その場を去ろうとした。希望が絶望に、喜びが怒りに、笑顔が泣き顔に、生が死に、天国が地獄に、この世の全てが真逆にひっくり返った。こんな残酷なことがあるのだろうか、あまりにも突然起こった出来事に驚き、喚き、子供達は泣いた、大声で泣いた。私はとっさに猫を追いかけその小鳥を奪い返したが、小鳥は手の中で血を流しながら息途絶えた。残りの2匹のルリカケス のヒナを保護する事はできたが、人間が手を出すのは違うと思うので、自然の成り行きに任せることにした。幼い子供達が一瞬の間に、この両局面の心の感情の動きを経験することは、そう無いだろうと思う。そんな経験をした子供達は、この先どんな感受性の心が育っていくのだろうかと想像し、たくましく思た。人間の力ではどうすることもできない自然の摂理を垣間見た特別な日であった。ルリカケス にまた来年も戻ってきてねと心の中で願った。奄美大島の悠久の大自然と共に生きている事に感謝した。