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Steeper and Deeper

旅の途中

ヨット天城での旅の途中、、、

紀伊半島の九鬼の水軍達のことを想像しながら、深い緑の木々が生息する半島の中の奥、昔彼らが船を隠した場所か、、、まだ海は続くのかと思うほどの半島の奥に寄港した。

その途端、待っていたかのように山側の西空が夕焼けた。。もうこれ以上ないくらい真っ赤に空が焼けるのを見た。

天城のことを祝ってくれているようであった。。。

四国の沖では黒潮が藍色より深い色で流れていた、限りなく透明で深く青い藍色、、美しい日本の色である。。。

遠くからイルカたちがやってくるのが見えた、、、天城と並走して、はねたり、飛んだり、、遊んでいた、、

ヨットの下に潜り込み、前に行ったり後ろに行ったり、ヨットの引き波に乗り、、、時間と疲れを忘れさせてくれた。。

僕たちを歓迎してくているかのようだった。。

夜に一番気をつけなければならないのは、他の船との衝突と、船からの海上転落だ、、、

最大限の感覚を使いながら、闇の中を大きなタンカーを見張りすすんでいく、、

気がつくと天城の周りが不思議な色で明るかった、夜光虫である、

天城のひき波の衝撃に反応して夜光虫が光る、神秘的な海の色がずっと続いた。

夜明け前霧がかった九州が見えてきた、そしてまた別のイルカたちが並走して出迎えてくれた。。

イルカたちの楽しさと、夜光虫の神秘さと、三日月の優しさと、太陽の暖かさに、、、心動かされた。。。

この先三日間は天候が荒れるかもしれない、、、、

三日三晩回航し疲労が溜まった僕たちは、必然的に屋久島で休むことになった。。。

自分たちより年上の木々にあい、島を流れる水の循環を思いながら、滝や温泉に入り、

島の悠久の自然と時間を感じた。。。そして山の神々の使い、鹿と猿に挨拶をした。

三日後、僕たちはまた天城に乗り込み南に進路を向けた。

激しく雨の降る中を左手に屋久島を見ながら我々はできる限り南西の方に進路を向けた、

なぜならこの屋久島の南のトカラ列島のあたりは黒潮が東シナ海から太平洋に東に勢いよく流れているからだ、、

徐々に潮の流れが早くなり。波が荒々しくなっていった、、

右側に諏訪之瀬島がみえてきた、、、よく見ると空には噴煙が、、火山が噴火していた。。。

雄大な自然を感じる景色であった。。。

あたりは暗くなり、、、僕達は真正面に力強いサソリ座を見ながら、航海を続けていた、、、

まるで夢のような世界を走り続け、、、頭ではなにか考えているようだが言葉が浮かばなかった、、、

気づくと闇から開けていく空の色を楽しんでいた。。。

遠くに奄美大島が見えた。。。。この嬉しさは忘れられない。。。。。

そして一番大事な人にあいたいと思った。。。

無事に航海を終えれて、、、天城、、携わってくれた皆様、、ありがとうございます。。。

また思い出せる言葉で綴っていこうと思います。。。。

伊勢志摩から奄美大島まで

予定では6月5日に伊勢志摩を出港して、天気をうかがいながら、、

一週間ほどで、奄美大島まで回航するつもりだ。。。

想定できるあらゆる出来事に対応できる装備品をつみこみ、南西方向に舵をきる。。。

風の時代に幸運の風が、僕たちを奄美大島まで運んでくれるだろう。。。

この旅にはいくつもの思いがけない幸運が訪れてくれた、

その最初にして最大のものは、僕の人生最初のヨットが、

1967年に渡辺修治さん設計された木造船 天城 だったことである。

まさに先人の知恵を味方につけることができた気がする。。。

あとは幸運を祈るのみ!!!

よろしくおねがいします。。。