Japonesia(ヤポネシア)は、戦時中、特攻隊隊長として加計呂麻島に赴任され、その後も長く奄美で暮らした作家、島尾敏雄氏の提唱した造語である。日本列島を日本国としてではなく、「島の連なり」として捉える。インドネシア、ポリネシア、ミクロネシアなどの太平洋の島々の連なりの中にある日本列島。本土の固い画一性によって切り捨てられ、失われつつある地域の持つ文化の多様性と豊かさ、ナイーブでいてたくましく、その土地土地と共存してゆく叡智に富んだ生命力。それらが、緩やかにかすかに変化しながら連なりゆく島々のことをヤポネシアとよぶ。その中の自然豊かな奄美大島に僕は住んでいる。日本は広くて奥深い。